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【悪徳商法の元祖⁉︎】被害総額2000億円以上!?豊田商事事件


今回の「昭和★平成ノスタルジア」は、1980年代に約2000億円規模の被害を出した詐欺事件「豊田商事事件」についてお届けします。

 

 
User 1

hana

被害額約2000億円・被害者約3万人というこの事件は、事件から約40年が経つ現在でも日本最大規模の詐欺事件といわれているよ。

User 2

ハチ子

詐欺の首謀者が、マスコミの前で刺殺されるというショッキングな事件も起こったのよ。

 

豊田商事事件の概要


豊田商事事件は、1980年代前半に起こった組織的詐欺事件であり、豊田商事による金の地金を用いた悪徳商法が手口とされています。

被害者の多くは高齢者であり、数万人に及ぶ被害者が全国で発生しました。

被害総額は約2000億円にものぼり、当時の詐欺事件としては最大の被害額でした。

強引な勧誘によって契約させられ、老後の蓄えを失った被害者も多かったです。

 

豊田商事の設立と組織拡大


豊田商事は1977年頃、名古屋市で永野一男によって金地金の商品取引を目的として設立されました。

その後、1978年には資本金5000万円で法人化し、本店を東京都中央区銀座に置きました。

しかし、実際には金ブラック業者としての実態を持ち、ノミ行為による導入金を通じて組織を拡大しました。

大阪・福岡などの支店や岐阜・三重などの営業所も新設されました。

1982年には大阪豊田商事株式会社から豊田商事株式会社に商号変更されました。

 

豊田商事の詐欺手口


豊田商事の手口は、主に以下の4つにまとめられます。

 

1.現物まがい商法(ペーパー商法)

客は金の地金を購入する契約を結びますが、実際には現物を引き渡されず、「純金ファミリー契約証券」という証券を代金と引き換えに受け取ります。

客は実際に購入した現物を確認できず、手元には紙切れの証券しか残りません。

豊田商事の営業拠点には見栄えの良い金の延べ棒が積まれていましたが、後に捜査でそれが偽物であることが明らかになりました。

 

2.独居老人への勧誘

特に独居老人が狙われました。

無差別に電話勧誘を行い、興味があると判断された場合は自宅を訪問します。

訪問時には線香をあげたり身辺の世話をしたりし、「息子だと思ってくれ」と人情に訴えたりして相手の信頼を得て、インチキな契約を結ばせていきました。

 

3.名誉や知名度の悪用

客を信用させるために、有名な企業やブランド名を悪用したり、テレビCMを多数放映したりしました。

また、主催イベントでは芸能人を起用するなども行いました。

社名である「豊田商事」という社名自体、トヨタ自動車の系列と誤解されるように意図的に選ばれたものでした。

これは永野一男の初めての就職先がトヨタグループ企業であったためと言われていますが、トヨタグループとの資本関係はまったくありませんでした。

 

4.他の企業やブランドとの混同

販売対象物を金からゴルフクラブ会員権に変え、現物まがい商法に会員権商法を組み合わせた詐欺を行った鹿島商事では、鹿島建設の系列企業であるかのように装いました。

資産価値がほとんどない屑ダイヤを扱ったベルギーダイヤモンドも、実際には安価なダイヤモンドしか扱っていないにもかかわらず、ベルギー大使館のあいさつ文を掲載するなど、他の企業やブランドとの混同や誤解を利用しました。

 

これらの手法は他の詐欺者にも影響を与え、同様の手口が模倣されることもありました。

 

永野一男の殺害と事件の社会問題化


1985年6月18日、豊田商事事件が社会問題化するなかで、豊田商事の会長である永野一男が取材中のマスコミの前で殺害される事件豊田商事会長刺殺事件が発生しました。

犯人は詐欺被害者の元上司だった男2人で、詐欺被害者だった6人の元部下たちから、「永野をぶっ殺してくれ」と頼まれて犯行に及んだとのこと。

その場に居合わせた多数のマスコミは、永野が目の前で刺殺されているにもかかわらず、犯行を止めようとする者は一人もいませんでした。

それどころか、全身を刺され血塗れで搬送される永野の様子を生中継しました。

この殺害事件は事件の影響が広がるなかで起きたものであり、さらなる注目を浴びることとなりました。

 

豊田商事のその後


豊田商事の破産時、売り上げの半分は従業員への給与や会社の運営資金として使われ、残り半分は先物取引の損失や事業の失敗により消えてしまいました。

資産と呼べるものはほとんどなく、永野個人の所持金もわずか711円でした。

しかし、中坊公平率いる管財人チームが豊田商事が浪費した金を回収しました。

管財人チームは徹底的に資金回収に取り組み、賃貸料や敷金、税金などを含めて豊田商事グループから回収し、その総額は100億円を超えました。

一方、回収には妨害行為もあり、一部の暴力団や金融機関が回収した金を奪ったり、建物を占有しようとしたりしました。

この事件の影響を受け、特定商品預託法が制定され、預託取引契約に対してクーリングオフ制度が導入されました。

 

まとめ


今回は、日本史上最大規模の詐欺事件である「豊田商事事件」についてお届けしました。

現在でも詐欺事件は多発しており、手を替え品を替え次々と新しい手口が生まれています。

しかし、過去に起きた詐欺の歴史を知ることで、自分の財産を守ることにつながるのではないでしょうか。



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