なんでパラレルキャリアな働き方をしているのか

今までまり書いてこなかった自分の仕事の仕方のはなしをちょっと書いてみたいと思います。

現在僕は自分の法人の代表者として自分の事業をやっていますが、実はそれと並行して某社のエンジニアリング部門の社員としてのお仕事もさせていただいています。

２つの顔を持つパラレルワーク/パラレルキャリアというスタイルをとっているわけです（実はいくつか法人を持っていますので顔はもっと多いかもしれません）。

このようなスタイルを取るきっかけとなったのは前の職場を退職することを考え始めたときにさかのぼります。

その当時僕はとあるインターネット関連の上場企業で技術担当の役員というポジションをやらせていただいていました。技術が好きでずっとエンジニアリングに関係する仕事をやってきたなかで、なんとなくエンジニアとしてのキャリアのゴールのイメージとして持っている役割でした。

そのへんのことはこちらのインタビュー記事でもお話させていただいていますのでよろしければご覧になってみてください。

インターネットベンチャーで役職のトップとして、好きな技術を担当させていただけるのはとても幸せなことでした。

ただ、役員ともなるとより社内外の調整的なことに関わらないといけなくなる時間が多くなってきて、そのうち技術のことよりもそっちに取られる時間が圧倒的に多くなってしまいました。それどころか調整という名の政治に巻き込まれることも多くなってきて、技術vsそれ以外みたいな構図になってしまうことも多々ありました。ここについては当時の自分の未熟さもあって、「無駄な対立構造を作ってしまっていたのかな」と今では反省する気持ちも強いのですが、当時は「こんな事やるために仕事してるんじゃないしなあ〜」という感じになってしまい、退職をすることになるわけです。

そこで強く感じたのは

エンジニアでサラリーマン一本でやってくのはけっこう大変かも

ということでした。

マネジメントにも携わってその中で成功していくと上に書いたようなことにぶち当たることもあります。

一方で、マネジメントにはあまり携わらずIndivisual Contributorでやっているとずっと最新の技術をキャッチアップしていかないとならないですし、つぶしを効かせるためには周辺の領域の知識、たとえばビジネス、マネジメント、特化したドメイン知識などをあわせ技で持つことも必要になります。そういうことも個人的にバランスを取りながら会社に所属して会社の利益にも貢献しないとならないのって結構大変なものです。皆さん誰しもそのようにしてキャリアを作っていっているのですが、会社に所属している以上会社の影響はどうしても受けてしまうわけです。

「そのへんをバランスよくできないかなあ〜」と考えていたなかで、今まで趣味で手伝ってた何個かの会社さんに相談をしてみたら、お金払うから引き続き手伝ってほしい、というお話をいただくことができました（趣味で手伝っていたのは当時所属してた会社が副業禁止だったためです。お金もらわなければよいというはなしではないと思うのですが、まあいいかなという感じでやってました）。

最初は困ってそうだから自分の知見を使って人助けができればいいなと考えていたのが始まりでしたが、その活動を「必要だ」と言っていただけたのです。それが自分の会社を創業した始まりでした。

SNSなどを経由しての採用が活発になってきていた時期でしたので、CTOとか技術担当役員とかの肩書がある人がやめると、SNSや人づてで噂が広まって、ぼくでもありがたいことに「次何やるんですか？」といろいろな方にお声がけをしていただけました。

その中でご縁があって現在社員として務めている会社のお話を頂いて、並行で仕事をさせてもらうということを選択する事になりました。社員としてお仕事させていただいている会社は規模やステージも弊社スライストーンとはぜんぜん違う会社です。海外のメンバーを採用して、日本初のグローバルテックカンパニーを作ろうとしている会社です。自分の会社ではそのようなことを経験することはできません。

そのようなことに大きく魅力を感じ、本当に必要としてくれているなという気持ちを感じたこともあり、今のような働き方をすることになります。

なにかの参考になればと思い、今回は僕が今の仕事のスタイルに至った経緯を書いてみました。今後も仕事の仕方の多様性は進化していくと思われますので、実際にいろいろな働き方をする人がもっと増え行くと思います。いろいろな形でみんなが能力を発揮できる社会になっていくことを願います。