2022年末、とあるサービスが大炎上したのを覚えていますか?
ある企業が、「ねこホーダイ」という名前で、「月額380円」「審査なし」「もらうのも手放すのも0円」など、目を疑うようなサービスを発表しました。
サービスは一時停止となりましたが、「命を軽視している」「猫の命をなんだと思っている」と、今でも批判は止まりません。
「ねこホーダイ」の炎上の理由をまとめてみました。
「ねこホーダイ」は、「もらうのも手放すのも0円」「面倒な審査不要」で、月額380円を支払えば誰でも猫を飼えるサービスです。
公式HPでは、以下のような文章でサービスの趣旨が説明されています。
「猫を飼うなら一生責任を持って面倒を見る」これは当たり前のことですが、それだと高齢者や単身者は中々飼うことができません。それならその「責任」を誰かが代わりに負えばいいのではないか、そんな思いで作られた「人と猫をつなぐプラットフォーム」それが会員制サービス『ねこホーダイ』です。
『ねこホーダイ』は月額380円の会員制サービスです。会員様は提携シェルターの猫を無料で譲り受けることができます。面倒な審査やトライアルもなく高齢者や単身の方でも大丈夫です。 また、会員様が飼っている猫を飼えなくなった場合に、提携シェルターに無料で引取ってもらうことができます。」
引用: のらねこバンク
昨年12月15日にこのサービスが発表されるとSNSですぐさま話題になり、「命を軽視している」「倫理観バグってる」「猫の命をなんだと思っているのか」「虐待を助長する」と批判が殺到しました。
【悲報】猫のサブスク『ねこホーダイ』始まるhttps://t.co/P1d3StdRpT
— 滝沢ガレソ🪚 (@takigare3) December 23, 2022
■月額380円で好きなだけ猫を貰い好きなだけ猫を捨てられる(引き取ってもらえる)
■しっかり飼えるかどうかの審査やトライアル(お試し飼育)も無し
■『飼うなら一生責任を持って…』は時代遅れ!誰でも気軽&無責任に猫を飼おう✨ pic.twitter.com/91QYMxDXX2
「保護猫を気軽に引き取って欲しい」という思いから発祥したサービスであることは想像がつきますが、やり方がよくありませんね。
SNSでは批判が相次ぎ、ネットでは反対署名運動が起こりました。
ついには環境大臣の耳に入る事態にまで発展し、西村環境大臣は会見で「事実確認中である」と回答しました。
動物の愛護及び管理に関する法律(通称:動物愛護法)では第七条4において終生飼養が義務付けられているため、「動物愛護法に反するのではないか」という批判も相次ぎました。
「動物の所有者は、その所有する動物の飼養又は保管の目的等を達する上で支障を及ぼさない範囲で、できる限り、当該動物がその命を終えるまで適切に飼養すること(以下「終生飼養」という。)に努めなければならない。」
動物の愛護及び管理に関する法律(通称:動物愛護法)第七条4
これについて猫ホーダイ側は「終生飼養への認識はある。違反するつもりはなく、サービス内容の伝え方などで不十分なところがあったと感じている。」と回答。
しかし、「もらうのも手放すのも0円」と銘打っている以上、終生飼養に違反するつもりはなかったとする反論は無理があるのではないでしょうか。
伝え方が不十分だったというのは言い訳としか思えません。
ここ数年で一気に猫の人気が高まっており、「散歩しなくていい」「鳴かない」という飼いやすさから、2017年には猫の飼育数が犬の飼育数を初めて逆転しました。
猫の人気が上昇するにつれて当然「猫ビジネス」も盛んになり、猫カフェや猫YouTuberの数が増え、非常に人気を博しています。
しかし、猫の飼育には責任が伴います。
病気をしたら病院に連れていく必要がありますし、場合によっては高額な医療費がかかることも。
命を預かるには自らが責任を負う必要があり、「誰かが代わりに責任を負えばいい」という、サービスの趣旨自体に疑問が残ります。
それを理解できない人が「猫ビジネス」に関わっていることは、一人の猫好きとして非常に恐ろしく、あり得ないことだと思います。
「ねこホーダイ」の運営会社「(株)のら猫バンク」の取締役を務めるのは、阪田泰志氏という人物。
名古屋で「花の木シェルター」という保護猫団体を運営しており、フジテレビの「ザ・ノンフィクション」や「坂上どうぶつ王国 」に登場したこともあるちょっとした有名人です。
トレードマークの革ジャンから「革ジャン阪田」という別名を持ち、いかつい風貌とは裏腹に積極的に保護猫活動に取り組む姿が賞賛されていました。
しかし、2021年11月16日に発売された「週刊女性」は、阪田氏の極悪非道な振る舞いを報じています。
これは「ねこホーダイ」が話題になる約1年前の話で、阪田氏が疑惑に満ちた人物であることは一部界隈では有名だったようです。
「ねこホーダイ」の炎上がきっかけで、過去の悪行が再度掘り起こされる形になりました。
「週刊女性」には、「猫への寄付金を飲食店の開店資金に使った」「猫を病院につれていかない」「市販の人間用の整腸薬を与えて治療」「保護猫を治療せずネグレクト状態」など、人間の所業とは思えない証言の数々が掲載されています。
阪田氏が運営する「花の木シェルター」では、猫が好きで参加しているボランティアは、そのあまりにひどい現状に心を痛めてすぐにやめて行ってしまうそうです。
ボランティアたちは阪田氏のことを「あの人は猫をお金としか思っていない」「お金と名誉のためにしか動かない」などと評しており、内容の真偽はさておき、少なくとも阪田氏が人望のない人物であることがわかります。
保護猫活動にはお金がかかることは理解できますが、慈善活動のように見せかけて寄付金を募り、虐待や資金の流用をしているのは許せません。
「ねこホーダイ」はリリースとともに大きな批判を受け、昨年12月29日にサービスの停止を発表。
「当社にお寄せ頂いたご質問について」と題し、寄せられた疑問や問い合わせについて返事をする場も設けています。
特に「ねこホーダイ」という名前はサブスクリプションを想起させるため、名称の変更を検討しているとのこと。
しかし、内容の多くは批判的な意見に対する反論としかとれないもので、本当に猫を大切に思っているのか疑問が残ります。
渦中の阪田氏は何も発信していませんが、阪田氏が代表を務める「花の木シェルター」のHPには、以下のような文章が掲載されていました。
㈱ のら猫バンクの「ねこホーダイ」というサービスにつき、花の木シェルターに多数問合せ・ご意見を頂戴しておりますが、㈱ のら猫バンクは阪田泰志が個人的に取締役を務める別企業となります。
〜中略〜
「ねこホーダイ」についての問合せ/ご意見は、直接(株)のら猫バンク宛にお寄せいただければ幸いです。
引用: 花の木シェルター
花の木シェルターにも問い合わせが殺到しているようです。
しかし、阪田氏の虐待や資金流用疑惑に対するコメントはなし。
今後「ねこホーダイ」が名前を変えて再開するとしても、疑惑のある人物が関わっているとなると利用する人はいないのではないでしょうか。
資金の流用疑惑、虐待疑惑に関して、真偽を明らかにして欲しいものです。
SNSで大炎上した「ねこホーダイ」は、批判が殺到し現在サービスを停止していますが、今後名前を変えて再開する可能性があるとのことです。
しかし、猫を愛している人たちにとっては、「もらうのも手放すのも0円」「面倒な審査不要」と銘打ったサービスが名前を変えて存続するのは許せないのではないでしょうか。
今後、「ねこホーダイ」は名前を変えてしれっと復活するかもしれません。
注意して今後を追っていく必要がありそうですね。
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