誰もが一度は行ったことがある、日本を代表するスーパーマーケット・イオン。
イオンの創業者一族は、政治家、実業家などを輩出した華麗なる一族だって知っていましたか?
社長シリーズ第一弾として、イオンの創業者である岡田卓也氏と、その息子たちについてお届け!
イオンの創業者は、三重県四日市市出身で現在96歳の岡田卓也氏です。
実家は江戸時代から続く老舗呉服商・岡田屋で、5人兄弟の末っ子として生まれました。
2歳の時に父が病死し、早稲田大学在学中には学徒出陣で戦争を経験するなど、苦しい少年時代を過ごしています。
終戦後の1946年、実家の岡田屋を再建すべく、屋号を株式会社岡田屋に改称。
自身も学生の身でありながら、8代目岡田屋当主として家業の復活に邁進しました。
大学卒業後は姉の千鶴子とともに、岡田屋を総合スーパーとして急成長させていきます。
1969年には、「フタギ」と「シロ」という関西のふたつのスーパーを合併し、「ジャスコ株式会社」という大型スーパーチェーンを誕生させ、今や知らない人はいない「イオン」の礎を作り上げました。
1989年にはグループ名を「ジャスコ」から「イオン」に改称。
当時「ジャスコ」という名称は国内のみならず海外でも使用されており、「改称は混乱を招く」「せっかく浸透したのに改称するなんて・・・」と、反対意見も多かったそう。
しかし改称に踏み切ったのは、当時「サティ」「ジャスコ」など、同グループ内で複数のスーパーが乱立してしまっており、ブランド力を高めるために「イオン」への一本化を目指したからとのことです。
「ジャスコ」はかなり浸透していたので、今でもイオンのことをジャスコと呼ぶ人もたくさんいますよね。
私の実家のおばあちゃんもいまだに「ジャスコ行くよ〜」なんて言ってます。
さっ、SATY…!?おま、SATYだろ…!?おま生き残っ…しっかりしろSATY!!!サティーーーー!!! pic.twitter.com/1z4bgFYatB
— せるこ (@seruko) November 26, 2019
ジャ…イオン pic.twitter.com/ANdh49Lbf3
— なかうち (@HiFi_MACLORD) June 20, 2020
Twitterでたびたび話題になる、「ジャスコの亡霊」たち。
卓也氏は2000年5月にイオングループの会長職を退任、現在は96歳で、ボランティア活動などに力を入れているそうです。
日本随一の大型スーパーとして、小売業のみならず、銀行、保険、都市開発などにも力を入れているイオングループ。
戦後、何も無い状態から家業を復活させた卓也氏の功績は大きいですね。
卓也氏の引退後にイオンを継いだのは、長男の岡田元也氏。
父と同じ早稲田大学を卒業後、アメリカに留学してMBAの資格を取得している秀才です。
父とおばが作り上げたイオングループを、さらに大きくしたのがこの元也氏。
2年前に社長を退任し、現在はCEOとして経営に携わっています。
2000年に父親の卓也氏がイオングループ社長を退任し、代わって社長に就任したのが元也氏です。
2000年代はこれまでの小売業を大きく揺るがす激動の時代でもありました。
それは、ECサイトの登場。
今までイオンのライバルといえば、セブンイレブンやイトーヨーカドーを運営する「セブン&アイ・ホールディングス」でしたが、しだいにAmazonや楽天といった通販サイトが人気を集めるようになり、ネットに顧客を奪われるようになりました。
当初イオンもネットスーパーに力を入れていましたが、結果を見るとうまくいったとは言えず、結局は「店舗型の強み」を活かして生き残っていく戦略に切り替え、ディベロッパーとして「イオンモール」を開発、イオンを中心に街が活気を生み出す仕組みを作り上げました。
現在は関東を中心に、全国で大規模商業施設を続々と建設中。
世界進出にも積極的で、とりわけ中国への出店に力を入れており、武漢や杭州などに新店を建設中です。
これらの計画が実現予定の2025年度には、営業利益900億円を達成する目標を掲げています。
ライバルで、そごう・西武を売却予定のセブン&アイ・ホールディングスと比べてもその差は歴然で、売上高では3倍以上の差をつけて業界1位に君臨しています。
未曾有のコロナ禍で苦戦しているものの、いちスーパーだったイオンを大規模商業施設に成長させ、国内トップの売上高を誇る大企業に成長させたのはまぎれもなく元也氏でしょう。
そんな元也氏ですが、2020年3月に社長職を辞任、現在は代表執行役会長を勤めています。
後任には吉田昭夫氏が就任しました。
元也氏の長男・尚也氏の社長就任も期待されていますが、元也氏自身が過去に「世襲は私で終わり」と発言していたこともあり、今後どうなるかはわかりません。
これからのイオン、そして岡田家に注目が集まりますね。
はじめしゃちょーのイオン貸切かくれんぼ😂
岡田一族を語る上で忘れてはいけないのが、創業者・卓也氏の次男で、衆議院議員の岡田克也氏。
東大卒の元官僚で、民主党政権時代には副総理にまで上り詰めたエリート中のエリートです。
岡田家で唯一政治家の道を選んだ克也氏についても調べてみました。
克也氏は父の地元・四日市市で育ち、地元の公立小学校・中学校に通っていましたが、イオンが全国展開を始めた時に父とともに大阪に引っ越し、大阪教育大学附属高等学校池田校舎に進学しました。その後東京大学法学部を卒業、幼い頃からの夢だったという国家公務員を目指し、通商産業省(現在の経済産業省)に入省しました。
しかし、官僚としてできることに限界があると考えた克也氏は、自民党の新人として1990年の衆議院選挙に出馬し、政治家に転身。
民主党のイメージが強い克也氏ですが、当初は自民党所属だったのですね。
しかし、自民党内部の派閥争いや、所属していた竹下派の分裂などが原因で自民党を離党、その後はいくつかの新党結成に携わるも、最終的には民主党に合流し、2002年には幹事長を務めるまでになりました。
2009年、政権交代が起き民主党が与党になると、鳩山内閣・菅内閣では外務大臣を、野田内閣では内閣府特命担当大臣、副総理を歴任するなど、重要ポストを次々を任されました。
2012年の衆議院選挙で大敗を喫し、再度野党に戻った民主党はその後分裂し、克也氏も所属を民進党、無所属の会、無所属と渡り歩きながら政治活動を続けました。
2020年、立憲民主党に参加を表明し、ようやく落ち着く形になりました。
地元・三重の強力な支持地盤と全国的な知名度を武器に、現在までに衆議院選挙で11選を誇り、野党所属ながらも、選挙戦で苦戦しない「無風選挙」の代表格とも言われています。
父はイオンの創業者、自身は東大出身の元官僚ということで「エリート」「御曹司」というイメージを持たれやすいですが、克也氏自身は、小学校から大学まで国公立に通ったこと、自身の幼少期はまだイオンが小さなスーパーだったことなどを例にあげ、「庶民派」をアピールしています。
まだまだ政治家として現役の克也氏。低迷している立憲民主党を引っ張る存在となるか、今後に注目です。
今回は「社長シリーズ」第一弾、イオン創業者の華麗なる一族を取り上げてみました!
もともと江戸時代から続く老舗商人だったとは言え、たった1代で日本一の小売業に成長させた創業者の手腕は素晴らしいですね。
2人の息子も、実業家と政治家としてそれぞれ地位を確立しています。
次期社長候補としては元也氏の長男・尚也氏も控えており、これからの岡田家にも注目したいです!
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