ポエム
目に見えているものは全て光によって映し出されたものである。
光を失うと何もかもが見えなくなる。
生まれてこの方、完璧な闇を体験した人は少ないのではないだろうか。
物理的に真っ暗闇にいるということではなくても、何もわからない中に放り出されたり迷い込んだりした場合も「見通しが暗い」というような言い方をする
反対に知っていること、知性があることを表す言葉に「明るさ」を表す字が使われているのはちょっと興味深い。
「○○の地理に明るい」とか「聡明」とか。
色彩的には明るさが行き着くと真っ白になる。
全てがわからなくなってしまうことを「頭が真っ白になる」というような言い方をすることもある。
暗いものが段々明るくなって、ちょうどいい頃合いを過ぎると、何もわからなくなってしまう。
人間は火をコントロールすることに成功したことによって、ある程度明るさをコントロールできるようになって今があるのではないかと思う。
認識と明るさのことを考えつつ、そんなことを思うと興味深い。
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