3月のライオン

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【書評】やってはいけないパターン?! - 『3月のライオン』14巻


[注意]本記事には読み方によってはネタバレ的な記述も含まれてます。まだ作品をお楽しみになってない方はお気をつけください。

 

年末に出た『3月のライオン』の14巻をお正月に遅ればせながら読了したので感想を書いてみたい。

 

この巻で「零の修復と成長の物語」という主題はほぼなくなったように感じた。三姉妹の家に受け入れられたことにより傷は癒え、将棋の方は順調という流れの中で、その要素はストーリー上不要になってきたということなのだろうか。

13巻では「成長」の側面の強いひなとの結婚というテーマが出てきていたが本巻ではそれは、ひながその気持ちに気がついていないという展開によって誤魔化されるかのように薄れてしまった。あのまま突き進むとどんなストーリーになるのか?とヒヤヒヤしていたので分からなくはないが、いささか強引な印象は否めない。

一方の将棋の方も素人の団体戦に学校の先生が出るのを支援するという話の流れで、特に緊張感のない展開が続いた。前の巻から将棋の話は薄くなっていたけれど、もはや『タッチ』における野球の要素よりも薄いように感じるレベルになっている。将棋にそれほど興味があるわけでもないし、重たいテーマのまま読み続けるのも疲れるなと思っていたので、僕個人としては問題がないのだが、アマゾンのレビューなどを読むと熱心な読者からは不評のようである。

 

14巻の目玉としてはハチクロとのコラボが挙げられると思う。ハチクロも読んでいたので個人的にはちょっと嬉しかったが、こちらもアマゾンのレビューでは否定的な意見が多かった。確かにハチクロを通ってない読者はあの結構長いページ数の間置いてきぼりになってしまうのかもしれない。『3月のライオン』の読者なら『ハチクロ』よんでるだろう、という前提を置いた横綱相撲だったのかもしれないが、やってはいけないパターンだったのかもしれない。

読む前にアマゾンのレビューをチラ見していて、評価低いなあ、と感じていたのでどうなのか気になりながら読み進めたが、低い理由もわからなくはないという感想である。あまりハラハラドキドキしながらストーリーを追うのが得意ではない自分としてはまったりと読めてよかったが、確かにストーリーとしては中だるみ感が強い状態になっている。今後どうストーリーを進めていくのかに注目したい。

 





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