1995年3月 25日

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[映画評]『Love Letter 』/岩井俊二


最近、20年くらい前の映画を見直したくなることが多いのだが、昨夜は岩井俊二監督の『Love Letter』を。

視聴後、wikiで調べると公開されたのは1995年らしく、もう22年も前の映画になるようだ。中山美穂、豊川悦司がまだ若く、最近見ない酒井美紀、柏原崇、鈴木蘭々なんかが回想シーンの中学生役で出ているあたり少し時代を感じるものの、今見ても陳腐に感じないので、最初に見たのがついこのあいだのように感じる映画である。

22年前かと思うと、時の流れは恐ろしい。

タイトルの『Love Letter』はやや拡大して解釈すると、手紙やメッセージという意味として作品のテーマであり、ストーリー中に複数散りばめられている。感情をリアルタイムい言葉にして伝えられなかったことを、時間や距離を超えて伝える/たまたま伝わるという出来事が作品の中でいくつか起こりながら物語が進んでいく。タイトルのつけ方は、さりげないが、抜群にうまい。

回想シーンが半分くらいをしめていたり、一人二役を使ったり、映画の手法として実験的な試みを多く含んでいながら、作品としては王道の部類に入る作りになっている。不思議な空気感をまといつつも、独特の美的感覚で奇抜にならないようにバランスがとられている。それが名作たる理由なのかもしれない。

シンプルに楽しめる映画なので、今の10代20代の方にもぜひ見てもらいたいなと思う作品である。





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