趣味
前回のブログの続きです。
東京宝塚劇場公演、花組『ポーの一族』を観た。
トップスター明日海りおを筆頭にビジュアルは
完璧
の一言である。
原作の萩尾望都さんが悶絶(?)したのもうなづける。
衣装もデザインが繊細で見ているだけでうっとりしてしまう。漫画の世界そのままにポーの再現がなされていた。
惜しいのはストーリーである。というか、ストーリーはあってないようなもので、ポーの世界観をざっと紹介した2時間半という感じがした。
ポーの原作はいくつかの短編が収まったものなのだが、それらを満遍なく散りばめてあり原作へのリスペクトが伺えるものの、(原作ファンにはたまらないのかもしれない)筋書きとしては物足りなさを感じた。
エピソードを一つに絞って物語を組み立てた方が人物像もわかりやすいし感情移入もしやすいように思うのだが、みなさんはいかがでしょうか?(誰)
もしくは小池先生オリジナルのストーリーでも良かったのにー。
惜しい。
他の要素が素晴らしいだけに、惜しい。
あともう一つ、これは好みの問題かもしれないが、大袈裟な音楽と共に舞台転換をする演出にお腹いっぱいになってしまった。
小池先生っぽいっちゃぽいけど、もう少し変化が欲しい。貴族の華やかさだけではなく、バンパネラの怪しさや暗さを演出で見せて欲しかった。
永遠の時を生きるバンパネラ。
(バンパネラは老いずに何百年と生き続ける。主人公エドガーは永遠に14歳の少年)
その悲しみの表現を明日海りお一人に背負わせ過ぎて、ストーリーには重みが欠けていたように感じる。
もちろんそれをやってのけた明日海りおは賞賛に値するのだが、作品全体としては「惜しい」のである。
その他一人一人の演者について思うところはあるが長くなるので省くが一言だけ。
シーラ役の仙名彩世は三拍子揃った実力派トップ娘役。ファンになった。
花組はイケメン揃い。フィナーレの群舞は最高。振り付けも斬新で見応えがあり、ダンスのレベルも高い!
総じて大満足でした♪
宝塚歌劇はよく「愛と青春の宝塚」などと称されますが、自分は宝塚の何に魅せられているのかと言うと、愛<青春 かなあと思います。
愛は気づくものだと思うので、自分次第でいくらでも生産可能だけれど、青春となると、、なかなかそうもいかない。
宝塚の華やかさの裏にある努力、葛藤、成長にグッとくる。そう、まさに青春。
心に広がるなんとも言えぬ郷愁。。。
20年前はそこに未来を見ていたけれど、今見えるのは過去のようなものなのです。
人生のステージによって宝塚の楽しみ方も変わるのですね。それも宝塚が世代を超えて愛される所以でしょうか。
今からでも青春できるかな。できる気がする。自分なりの形を模索しながら頑張ろう。そんな風にエネルギーをチャージして現実に戻っていきました。
そして。
夜になっても現実に戻りきれず、夫のいぬ間に風呂場で熱唱いたしました。
(完)
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