st_contents
SliceTone代表のhisahikoです。
この記事では、僕らのVision、『世界を、もっと、ずっとオモシロく。』が生まれた理由について書いてみたいと思います。
僕がSliceToneを作った意味についても書いています。現在一緒にお仕事してくださってる皆さん、将来一緒にお仕事をさせていただくかもしれない皆さんに向けて、より会社のことを理解していただくためのメッセージとして書いています。
Slicetone が掲げるビジョンは、
Make the world more exciting, always
世界を、もっと、ずっとオモシロく。
この「オモシロい」は、
ただ単に「楽しい」とか「エンタメ的」という意味ではありません。
僕にとっての“オモシロい”は、
人生の見え方が変わり、
人が自由になり、
世界が軽やかに動き出す“状態”そのもの
のことです。
少し長くなりますが、
このビジョンがどのように僕の人生から生まれたのか、
なぜこの言葉を未来に向けて掲げているのか、
その背景をお話ししたいと思います。
僕のキャリアは、いわゆる「正しいレール」に自分を乗せられないところから始まりました。
就職偏差値という価値観が強かった90年代、
僕はどのカテゴリーでも目立つタイプではなく、
就職活動もうまくいきませんでした。
最終的に、なんとかご縁をいただき、
ある企業に就職することができました。
ただ、そこで与えられた最初の配属は、
自分が描いていた社会人像やキャリア観とは大きく異なるものでした。
当時流行りのトレンディードラマに毒されてた僕はもっときらびやかなものを想像してしまっており、
全然違う状況に対面し、
「人生ずっとこんな感じでこれが続くのだろうか?」
という強い恐怖を覚えました。
振り返ってみると、
あれは仕事や環境の問題ではなく、
“当時の自分がどう生きたいかを理解できていなかった”
というだけのことだったのだと思います。
そうしたミスマッチから生じた迷いや不安が、
後のキャリアの大きな転機へとつながっていきました。
退職後、しばし資格試験の勉強をしながらアルバイト生活をする中で、
ある日突然訪れた転機がありました。
ITとの出会いです。
これは人生を支配していた“つまらなさ”を一気に吹き飛ばす体験でした。
昨日学んだことが、今日の仕事で使える。
理解した知識が、現実の問題を解決する。
自分が学んだ分だけ、世界の見え方が変わる。
初めて、
「学ぶことが人生を変える」
という実感を得た瞬間でした。
この感覚は、僕にとっての最初の“オモシロい”原体験です。
世界は変わる。
人生は変わる。
可能性は広がる。
そして何より、自分が前に進んでいる実感がある。
この“努力が直結する”快感が、
僕を IT の世界に引き込んでいきました。
少し時期は前後しますが、
その頃同時並行でやっていたバンドの経験も、大きな原体験の1つです。
作詞作曲をして、仲間と音を合わせ、
ステージで一体感が生まれた瞬間の高揚感。
作り込んできた音源ができた瞬間の達成感。
そして、音というバラバラなものが、
ルールに沿った 技術・役割分担・コミュニケーションによって具体的な作品になる。
ここでもまた、
“オモシロい”
が生まれていました。
音楽で表現できる世界は思いつく限りの、ユーモアと、ひねりを、
織り込むことができました。
仕事では躊躇してしまっていた、発想を織り込むことのオモシロさに気がつきます。
音楽には一応ルールがあるので、
そのルールに従って仲間と何かを作り上げる楽しさもありました。
一見無関係に見える音楽の経験ですが、
僕にとっては「創ることの本質」を教えてくれた大切な時間だったんだなと思います。
IT 業界で経験を積み重ね、ありがたいことに環境にも恵まれ、
やがて上場企業で CTO という立場を任せていただきました。
ひとつの目標が叶った瞬間でもあり、自分にとって大きな節目でした。
しかし、その立場を経験する中で、
自分が理想としている「ものづくりの在り方」と、
現実の組織の在り方のギャップに向き合う時間が増えていきました。
どちらが良い悪いという話ではなく、
組織の規模が大きくなるほど、
調整や合意形成が必要になるという当然の現実があり、
そこに自分の成熟や経験が追いついていなかった部分も多くあったのだと思います。
その過程で、
「どうすれば人が力を発揮し、創造に集中できる環境になるのか?」
という問いが強く残りました。
この経験は、自分にとって“挫折”というよりも、
「自分の理想と、世界の複雑さを深く理解するための学び」
だったと、今では受け止めています。
そして、この問いこそが後の SliceTone のビジョンに
大きくつながっていくことになります。
これらの経験を経て、
僕の中で“オモシロい”はより明確になりました。
あなたにも共有しておきたいと思います。
その考え方か、そのやり方か、その言い方か、
と思わせてくれる、
世界の角度が一瞬でズレる瞬間が好きです。
ユーモアとは「軽さ」ではなく、
新しい視点を与える力のことです。
ITとの出会いがそうだったように、
新しい発想に触れると、
世界の見え方が根本から変わります。
その瞬間、人は自由になる。
僕はこの自由さこそ“オモシロさ”だと考えています。
不快だと、人はネガティブになり、
創造も発想も生まれません。
僕にとっての快適さとは、
“世界/仕組み/人間関係が、心地よく動いている状態”
です。
これは、創造のための“土台”です。
素敵な人に出会ったとき、
本物の技術に触れたとき、
良いものが生まれる瞬間、
仲間と達成した瞬間。
そこには、人間の美しさが宿っています。
僕はこの“美しさ”に心が震える。
これが僕の“オモシロい”の最後のピースです。
SliceTone をつくったのは、
この“オモシロさ”を世界に増やしたいと思ったからです。
誠実に、
本質を見抜き、
技術で支え、
仲間と創造する。
その積み重ねが、
僕らの世界を「もっとオモシロく」し、
その連鎖が「ずっと続いていく」未来を生み出す。
だから僕たちは、
Make the world more exciting, always
を掲げています。
最後に、僕たちが掲げる
Vision / Mission / Value が
どのようにつながっているかを説明します。
Make the world more exciting, always
= 世界をもっと、ずっとオモシロくしたい。
= “創造が続く未来”をつくりたい。
make it easier, make it possible
= そのために、難しいことを簡単にし、
“できなかったこと”を“できる”に変えていく。
Work to Make it Happen
See through the Essence
Like Friends, Like a Family
= その実現のために、
行動し、本質を見抜き、仲間と寄り添う。
これらはすべて、ひとつの大きな目的に向かっています。
「人と世界が、もっと、ずっとオモシロく生きられる未来」
僕は、レールから外れたところから始まったキャリアでした。
でも、ITに出会い、仲間に出会い、創造の面白さに出会い、
人生は大きく変わりました。
だからこそ信じています。
世界は、オモシロくできる。
そのオモシロさは、ずっと続けられる。
これからも、
その未来を一緒につくっていける仲間に出会えることを楽しみにしています。
|