アイドル
伝説の歌姫・中森明菜。
デビューから40年が経った今もなお、歌番組ではしきりに彼女の楽曲がカバーされ、新たなファンを生み出し続けています。
しかし、破竹の勢いだった1980年代から一転、1990年代からは不遇の時代が続き、2010年頃からはほとんどメディアに姿を表さなくなってしまいました。
圧倒的スターだったはずの彼女は、なぜ表舞台から姿を消してしまったのでしょうか。
そこには、ジャニーズ事務所、そしてマッチこと近藤真彦がかかわっていました。
hana
中森明菜さんといえば、ショートカットに着物風の衣装を着た「DESIRE -情熱-」が有名だよね。
ハチ子
当時の衣装や音楽は、今見ても最先端だわ。
1981年、日本テレビの「スター誕生!」に出演した中森明菜さん。
山口百恵、ピンク・レディー、桜田淳子、森昌子など、数々の超有名アイドルを輩出してきたこの番組で、中森さんは歴代最高得点を獲得し、鳴り物入りで芸能界デビューを果たしました。
1982年5月1日に「スローモーション」でデビューすると、続く「少女A」「セカンド・ラブ」が立て続けにヒット。
その後も、「北ウイング」「サザン・ウインド」「十戒 (1984)」「飾りじゃないのよ涙は」など、名曲を次々にリリースし、アイドルではなく「歌手」として人気を集めていきます。
1985年には、11枚目シングル「ミ・アモーレ〔Meu amor é・・・〕」でレコード大賞を受賞すると、名実ともにトップ歌手として認められました。
翌1986年、代表曲となった「DESIRE -情熱-」で2年連続レコード大賞を受賞。
その後も快進撃は止まらず、「難破船」「TATTOO」などの名曲をリリースしました。
しかし、1989年7月、自殺未遂を起こして1年間活動を休止することに。
ここから、中森さんの順調な歌手人生が狂い始めます。
1985年、中森さんは映画「愛・旅立ち」で主演を務め、俳優デビューを果たします。
この時ともに主演を務めたのは、当時ジャニーズの看板アイドルで人気絶頂だった「マッチ」こと近藤真彦さん。
この映画がきっかけで、トップアイドル2人の禁断の恋愛が始まりました。
最初は初々しい恋愛をしていた2人ですが、明菜さんはいつしか近藤さんの浮気癖に悩まされるように。
とくに彼女を傷つけたのは、1982年2月に週刊誌にスクープされた松田聖子さんとマッチのキス写真だったといいます。
報道当時、松田聖子さんは神田正輝さんと結婚しており、マッチとの密会が事実であれば「不倫」だったことになります。
中森さんと松田聖子さんは何かと比べられることが多く、「ライバル」とまで言われた関係性でした。
そんなライバルが最愛の彼氏と密会していることを知り、中森さんは非常にショックを受けたといいます。
松田聖子さんとマッチの週刊誌報道から約5ヶ月が経った1982年7月、中森さんはマッチの自宅マンションで手首を切って自殺未遂を起こしました。
この騒動は世間に大きな衝撃を与え、彼女はこの事件を境に表舞台から姿を消しました。
世間を大きく騒がせた自殺未遂から約半年。
1989年12月31日、中森明菜さんはホテルで記者会見を開きました。
ファンに心配をかけたことに対するお詫びから始まったこの記者会見でしたが、中森さんが「近藤真彦さんに辛い気持ちをさせてしまった」と近藤さんの名前を出してお詫びをすると、なんと会場にマッチが登場。
騒然とする会場内。
金屏風の前でのツーショットに、多くの人が「まさか結婚宣言!?」と思ったのも束の間、近藤さんは「明菜さんと交際は続けていくが、婚約は考えていない」と発言。
その明らかに異様な光景は、多くの人に違和感を与えました。
この会見は、ジャニーズ事務所の影のボス・メリー喜多川氏によって仕組まれていたものだといいます。
自殺未遂を引き起こすきっかけになったマッチから暗いイメージを払拭させ、「明菜を支える良き恋人」を演出するためのものだったそう。
また、記者会見が苦手だった中森さんには「マッチとの結婚会見」と嘘を伝え、半ば強制的に公の場に引き摺り出したといわれています。
この説には「さすがのジャニーズでもそこまでしないだろう」「本当だとしたら人の尊厳を踏み躙るありえない話」と、ジャニーズを擁護する意見も多くみられました。
しかし、昨今の性加害問題、そして今までメディアに対して行ってきた圧力や妨害の数々を見ていると、ジャニーズ事務所が中森さんにした仕打ちもおおむね事実だったのではないかと思えてきます。
この記事では、伝説の歌姫・中森明菜さんの自殺未遂についてお届けしました。
中森さんが表舞台に立たなくなったのには、悲しい過去が関係していたんですね。
また、性加害問題でさまざまな不祥事が明らかになったジャニーズ事務所は、当時から他のタレントに圧力をかけていたことがわかりました。
中森明菜さんが芸能界で再び輝く日は来るのでしょうか。
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