【元祖おしどり夫婦】勝新太郎と中村玉緒

昭和のビッグカップル、勝新太郎さんと中村玉緒さん夫婦。

破天荒な勝さんと、天然ながらも夫をしっかり支える中村さんは、昭和の日本を象徴するような夫婦でした。

今回の昭和平成ノスタルジアでは、勝新太郎さん＆中村玉緒さん夫婦についてお届けします！

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平成生まれの私にとっては、中村さんは「バラエティに出てる天然なおばあちゃん」という印象があるよ。

ハチ子

昔は大映を支えた名脇役だったそうよ。

勝新太郎さんの奥様としても有名ね。

勝新太郎の妻・中村玉緒は何者？

中村玉緒さんと言えば、明石家さんまさんと一緒にバラエティ番組に出ているイメージをお持ちの方が多いでしょう。

天然ボケなキャラクターで人気を博した中村さんですが、実は若い頃は大映を支えた名女優でした。

中村玉緒さんは1939年生まれで、京都市左京区出身。

父は歌舞伎俳優・二代目中村鴈治郎、兄は歌舞伎役者の四代目坂田藤十郎であり、その子供には四代目中村鴈治郎・三代目中村扇雀兄弟がいる、歌舞伎一家に生まれました。

1953年に松竹の映画『景子と雪江』でデビューしたものの、その後の仕事は途絶えてしまいます。

しかし女優の道を諦めきれず、1954年に大映へ入社し、1960年代は脇役として活躍。

1970年代にはテレビドラマの脇役で注目を浴び、健気な母親役で評価されたことで「お母さん」のイメージが定着しました。

私生活では、1962年に大映の同僚だった勝新太郎さんと結婚、勝さんと死別するまで35年間にわたって結婚生活を続けました。

勝さんからの猛烈なアプローチを受けての結婚だったそうで、2人の仲の良さを表す数々のエピソードが残されています。

中でも有名なエピソードは、渡哲也さんの「くちなしの花」にまつわる話。

中村さんが高熱で風邪を引いた時、勝さんは彼女を元気づけるために彼女の好きな渡哲也さんの歌を聞かせようと決意。

勝は銀座の飲み屋を探し回り、渡さんを見つけた際には土下座して、妻のために歌ってほしいと懇願したそうです。

感動した渡さんは快く「くちなしの花」を歌ったそうで、中村さんはこのエピソードを勝への愛情の理由としてよく話しています。

子ども2人が同時に逮捕・・・

おしどり夫婦として有名だった勝さん＆中村さん夫婦には、2人の子どもがいます。

長男は俳優として活動していた鴈龍（がんりゅう）さん。

そして長女は元女優の奥村真粧美（おくむらまさみ）さんです。

長男の鴈龍さんは、父・勝さんが監督を務める映画「座頭市」で1988年に俳優デビューを果たしたものの、殺陣の撮影中、真剣で相手役の俳優を切り付けて死亡させてしまうという事件を起こしました。

鴈龍さんは警察の聴取を受け、裁判に発展したものの、撮影で使用している剣が真剣だとは伝えられておらず、スタッフのミスであることが認められて無罪に。

しかし、ことの重大さからデビュー後はしばらく謹慎を続け、5年ほど経ってから復帰しました。

長女の奥村さんも、父・勝さんが主演を務めるドラマ「警視-K」に出演して1980年に女優デビュー。

ちなみにこのドラマでは、中村玉緒さんが勝さん演じる主人公の別れた妻として登場し、勝新太郎一家が勢揃いしたことでも話題を呼びました。

しかし、1982年に鴈龍さんと奥村さんが大麻の密売容疑で揃って逮捕されてしまいます。

母である中村さんは2人の逮捕について「罪は憎くても子供は憎めない」と溺愛っぷりを披露し、「2世芸能人の悪いお手本」「甘やかしすぎだ」と批判が殺到。

しかし、父の勝新太郎さんもたびたび薬物疑惑で話題になっていたことから、「親の影響もあるのでは・・・」という声も上がりました。

「もうパンツを履かないようにする・・・」爆笑記者会見

事件後、奥村さんは女優業を引退し、その後は母である中村さんのマネージャーとして活動しているようです。

一方で長男の鴈龍さんは細々と俳優業を続けていたものの、中村さん・奥村さんとは離れて暮らしていたそう。

2019年、55歳の若さで孤独死したことが明らかになっています。

勝の死後、中村玉緒が莫大な借金を返済

勝新太郎さんといえば、浮かんでくるのは「破天荒」「豪快」「問題児」というイメージ。

連日連夜大酒を飲み、飲み会ではスタッフ全員分の飲食代を負担し、高級車を乗り回してチップをばらまく、いかにも昭和の大スターらしい生活を送っていたそうです。

1967年には映画プロダクション「勝プロダクション」を立ち上げ、最初こそうまくいっていたものの、晩年になると自身の薬物容疑や荒れた私生活もあいまって苦境に陥っていきます。

1980年には、妻の中村さん・娘の奥村さんも出演して話題になった「警視-K」を莫大な予算をかけて制作するも、視聴率が振るわず打ち切りに。

1981年、12億円の負債を残して勝プロは倒産しました。

1997年に勝さんが咽頭がんで死去した後、中村さんには10億円以上もの借金が残りました。

しかし中村さんは精力的にバラエティ番組に出演、さらに着物のプロデュースを手がけるとこれが大ヒット。

25年かけて、10億円以上あった借金を完済しました。

まとめ

昭和のビッグカップル・勝新太郎＆中村玉緒夫妻についてお届けしました。

破天荒な勝さんと、それを支える中村さん。

勝さん自身の逮捕に子ども2人の逮捕、莫大な借金や勝さんの死去など、大波乱を乗り越えてきた中村さんは現在84歳。

テレビで見る機会は減っていますが、まだまだ元気でいてほしいものですね。