ビジネス/経済

【市場規模1500億円越え!男性美容ビジネスの可能性】


ここ数年、男性美容が大注目されているって知っていましたか?

ひとくちに「男性美容」と言っても、ヒゲ脱毛やメンズメイク、スキンケアやAGA治療まで、内容はさまざまです。

特に10代〜20代の若い男性にとっては、美容は単なるブームではなく、当たり前に行う習慣になりつつあります。

今日は、ビジネスとして見た男性美容について語っていきたいと思います。

 

 

男性美容の原点 


男性向けの化粧品が本格的に商品化されたのは、1960年代に登場した資生堂の「MG5」というブランドです。

「日本初の本格的男性化粧品ブランド」というキャッチコピーで、ヘアケア・スキンケア・フレグランス製品の販売を開始。

男性美容の可能性にいち早く着目した企画担当者は、「日本の男性に化粧品の使用習慣を根付かせる」という壮大な目標を掲げてこのブランドを立ち上げたそうです。

当時、資生堂社内ではMG5に対して反発の声もあったそうですが、結果的に現在まで続くロングセラーとなりました。

 

1970年の資生堂「MG5」のCMでは、当時18歳の草刈正雄さんが出演しています。今もダンディでハンサムですが、この頃は別格のかっこよさですね!

 

1970年には、「ギャツビー」シリーズで有名な「マンダム」が登場しました。

マンダムはもともと「丹頂」という社名で、1933年に発売された「丹頂チック」というヘアワックスで一世を風靡した経験をもつ企業でした。

しかし、1960年代に登場した資生堂・MG5の登場によりシェアを奪われてしまい、巻き返しを図って立ち上げたのがマンダムシリーズでした。

イメージキャラクターに萩原健一さんや松田優作さんといった人気俳優を起用したことで人気を集めました。

資生堂・MG5とマンダムは男性美容の礎を築き、お互いに切磋琢磨しながらブームを牽引してきました。

しかし、ヘアセットはともかく、スキンケアを行う男性は一部のみで、男性美容はなかなか習慣として定着しませんでした。

 

SNSでガラリと様変わり!男性美容ブーム到来


その後も男性美容は少しずつシェアを伸ばしていきましたが、なかなか定着しませんでした。

しかし、2010年代以降、男性美容ブームに大きな転機が訪れます。

それはYoutubeやTikTok、インスタグラムなどのSNSの大流行!

男性たちはSNS時代の到来とともに、「動画映え」「写真映え」を気にするようになり、スキンケアや脱毛、美容医療などを始める人が急増しました。

特に、Z世代と呼ばれる10〜20代の若者にとってはもはやスキンケアや脱毛は当たり前。

身だしなみの一環として行う人が増えています。

学生時代からSNSが身近にあり、スキンケアや美容の必要性を身に染みて感じているのでしょうね。

また、YoutuberやTikTokerなどのインフルエンサーが普段行っている美容を紹介することも増え、より簡単に情報を得られるようになりました。

 

藤森慎吾さんのスキンケア動画。参考になる!というコメントが多いです。

 

さらに、美容クリニックに定期的に通って、医療の力で肌を綺麗にする人も増えています。

女性のあいだでは、美容医療で肌の管理をするのが当たり前になりつつありますが、男性にはまだ認知されていないのが現実。

でも、若い世代を中心に施術を受けるひとが増えています。

私もよく美容クリニックに行くのですが、数年前に比べて明らかに男性客が増えていると感じています。

私が美容クリニックに通い始めた5年前は、ほとんど男性客を見かけることはありませんでしたが、今はクリニックに行けば必ず1人は男性を見かけます。

また、私は美容クリニックでの勤務経験があるのですが、18時以降に来院するお客さんの8割は男性でした。そのほとんどが、仕事終わりにヒゲ脱毛を受けにくるサラリーマンたちです。

医療脱毛をきっかけに別の施術にも興味をもつ人も多く、ニキビ跡やシワの改善、美肌治療を始める人もとても多かったです。

 

ヴァンゆんのヴァンビさんが「ダーマペン」を施術している動画です。

 

対照的な結果になった手越とローランド


男性美容の市場規模はすでに1500億円を超え、その額は年々増加しています。

最近では男性タレントが脱毛サロンや美容サロンの経営に参画するパターンも増え、例えばタレントのローランドさんは脱毛サロンと美容院を、Youtuberのヒカルさんは「Rejehanne by Hikaru」という脱毛サロンをそれぞれプロデュースしています。

また、元NEWSの手越祐也さんも、脱毛サロン「TEGOSHI BEAUTY SALON」をプロデュースしていましたが、5月末に全店閉店に至りました。

 

手越さんが脱毛サロンを立ち上げることを発表した時の動画です。このときは気合が入っていましたね。

 

その背景には、手越さん自身の人気が低迷していることもありますが、同じような「芸能人プロデュースサロン」が乱立していることも関わっていると思われます。

手越さんのサロンが全店閉店した一方、ローランドさんのサロンは現在30店舗を展開しシェアを伸ばし続けていることを考えると、男性脱毛サロンの数が増えてきて、知名度だけでは存続できない「男性脱毛戦国時代」に突入したと言えるのではないでしょうか。

サムネイルのローランドさんの動画を見ればわかる通り、広告塔としてだけでなく、「経営者」という自覚をもって、自らフロントに立って接客したり、各店舗の抜き打ちチェックを行ったりしていますね。

Youtubeという媒体をうまく使って、トラブルさえも強みに変え、ドキュメンタリー風に仕立てているところも面白いです。

一方で手越さんは、発表時の動画では「経営もやります」と言っていたのですが、その後サロンに関わっている様子はあまりなく、単なる「広告塔」としての役割しか果たしていなかったように見て取れます。

男性タレントの参画によって、今まであまり美容に興味がなかった層を取り込むことに成功した一方で、消費者は知識をつけ、サービスを見極められるようになってきているのではないでしょうか。

女性の脱毛が当たり前になったように、今後は男性の脱毛も当たり前になっていくに違いないですね。

今のところ、ローランドさんの一人勝ちになりそうな男性脱毛サロン業界。

今後の動向にも注目したいです。

 

今回は男性美容について取り上げてみました!

ビジネスとしては可能性だらけの男性美容業界。

今後、さらに市場規模が拡大していくことは間違いありません。

いつか、女性美容と男性美容の規模が逆転する、なんて日が来るかもしれませんね。

 





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