政治

【政界の異端児】明石市長・泉房穂って何者?調べてみた!


「兵庫県・明石市」と聞いてイメージするものはなんでしょう?

神戸の隣町?明石焼き?それとも、本初子午線のある街?

実はいま明石市は、「全国戻りたい街ランキング1位」「全国の中核市で人口増加率1位」「関西版・住みたい街ランキング6位」などを獲得し、その住みやすさが大注目されている街なんです。

明石市を「住みやすい街」として有名にした立役者が、現明石市長の泉 房穂(いずみ ふさほ)氏。

2021年12月にツイッターを開設すると、1カ月余りでフォロワー数が10万人を超え話題に。

それほど大きくない地方都市の市長がなぜこんなに注目されているのか?

その理由を調べてみました!

 

 

明石生まれ明石育ち!泉氏の生い立ち


泉 房穂氏は兵庫県明石市出身で、現在58歳。

漁師の家の長男として生まれ、4歳年下で障害をもつ弟と一緒に育ちました。

猛勉強の末、晴れて東京大学に進学。

教育学部を卒業後、NHKに入社しディレクターとして勤務していました。

NHKを退社後、石井 紘基氏(元衆議院議員)の秘書を経て、司法試験に合格。

橋下徹元大阪市長とは司法修習の同期で、ラグビー仲間なんだそうです!

1997年から弁護士としての活動を開始し、地元・明石で「いずみ法律事務所」を開設。庶民派弁護士として、「困っている人の力になりたい」という信念のもと、地元住民のために奮闘していました。

転機は2003年。弁護士としての知識や経験を国政に生かしたいと思った泉氏は、衆議院選挙に立候補し、みごと当選。政治家へ転身しました。

 

2004年衆議院本会議での代表質問「国民に身近な司法をつくること」と訴える!!

議員時代の代表質問の動画です。この時は民主党所属でしたが、今は無所属です。

 

弁護士としての経験をもとに、司法改革について熱く訴えているのが印象的ですね。

衆議院議員としての活動は2年間と短かったですが、「犯罪被害者基本法」、「無年金障害者救済法」、「オレオレ詐欺対策のための口座売買禁止法」、「ヤミ金対策のための年金担保融資禁止法」などの多数の議員立法を成立させました。

その多くが「犯罪から国民を守る」という内容がベースになっています。

「困っている人の力になりたい」という泉氏の熱い気持ちが伝わってきますね。

議員としてしっかりと結果を残した泉氏でしたが、2年後の選挙では惜しくも落選してしまいました。2005年、衆議院議員としての活動を終え、明石に戻って弁護士として活動を再開しました。

弁護士に戻ってからは、一般の方々に向けた講演や法律相談だけでなく、犯罪被害者の救済活動にも精力的に取り組みました。

2007年には社会福祉士の資格も取得し、「困っている人の力になりたい」という信念をさらに実現していきます。

なぜこんなにも「困っている人の力になりたい」という信念を貫けるのか、と疑問に思いましたが、これには生い立ちが大きく関わっているようです。

泉氏の弟には障害があり、泉氏自身は障害者施設のこどもたちと一緒に遊んで育ったことから、幼いころから「困っている人の力になりたい」と思っていたそうです。

弁護士、衆議院議員、社会福祉士として信念を実行にうつしてきた姿は本当にかっこいいですね。

 

市長としての実績


衆議院議員を辞め、弁護士として活動を続けてきた泉氏ですが、2011年にさらに大きな転機が訪れます。

明石市長選挙に立候補し、対立候補をわずか69票の僅差で破り当選!

明石市長としての活動を始めることになりました。

2011年から2015年の1期目は、正規職員数の削減や市長、職員の給与カット、各種事務事業の見直しなどを行い、浮いた財源を有効活用して、こども医療費の無料化や保育所の新設などを行いました。

これによって、待機児童問題の解消、預かり保育の実施などに繋がり、結果、たった1期(4年)で人口増加と赤字財政の黒字化を達成することができたのです。

これだけでも、泉氏の政治家としての凄さがわかりますね。

その後、任期満了に伴う選挙でも再選した泉氏は、2015年から2期目を務めることになりました。

2期目では、第2子以降の保育料の完全無料化、中学生までのこども医療費完全無料化、離婚後の未払い養育費の立て替えなど、さらに子育て支援政策を続けました。

人口だけでなく、赤ちゃんの出生数も増加に転じ、明石市を「子育てのしやすい街」に変えることに成功しました。

また、「困っている人の力になりたい」という信念のもと、「バリアフリータウン条例」の制定をはじめとする障害者福祉や、認知症診断費用の助成、見守り支援といった高齢者支援にも力をいれていきました。

明石市は、こどもとその親だけでなく、高齢者、障害者、その他さまざまな人にとって暮らしやすい街であることが伝わってきますね。

 

こどもだけではない、全員が住みやすいまちづくり

 

「市長への意見箱」。一つ一つ目を通しているようです。

 

パワハラ疑惑からの再選、現在まで


2期目も終了に近づき、3期目の再選を目指していた泉氏でしたが、任期満了に伴う市長選を目前にしてあるスキャンダルが取り沙汰されました。

それは、「職員へのパワハラ疑惑」

2017年に行っていた「国道2号拡幅工事」について、当時の担当者を強い口調で叱責する音声データが、2019年の1月、市長選の直前になって流出しました。

内容は、拡幅工事に必要な立ち退きに関し、土地の買収交渉が全く進んでいない状況でいらだちを隠せなかった泉氏が担当職員に対し「火付けて捕まってこいおまえ。燃やしてまえ。損害賠償を個人で負え」「おまえら1人ずつ1千万円出せ。自分の家売れ。その金で払うたれ」などと暴言を吐いたというもの。

関西弁の凄みを抜きにしてもかなり言い方が強く、これではパワハラと言われても仕方がないかもしれませんね。

泉氏は事実関係を認め、「市長としてあるまじき行為で深く反省している」とし、責任を取るために市長を辞職しました。

 

パワハラの音声については、今年5月にツイッターでこう振り返っています。

 

このつぶやきは物議を醸しました。出る杭は打たれるのでしょうか・・・

 

泉氏の辞職に伴い、明石市長選が行われました。

泉氏も、市民の声を受けて、「出直し選挙」として出馬しました。

結果は・・・なんと、泉氏は全体の5割近い票を得て再選したのです!

いままでやってきたことが市民にしっかり伝わり、評価されていたのですね。

自分の住んでいる自治体の首長を信頼できるというのは、市民にとっても非常に誇らしいことですね。

現在まで市長職を続けている泉氏ですが、再選後もさまざまな政策を実現し高い評価を受けています。

たとえば、LGBTなど性的少数者のカップルを公的に認める「パートナーシップ制度」を、2020年度に制定しました。

そして、「ファミリーシップ制度」も導入し、LGBTカップルの婚姻関係を認めるだけでなく、その子供との親子関係も認め、家族一緒に市営住宅への入居申請ができるようになりました。

パートナーシップ制度が制定されている自治体は多くありますが、ファミリーシップ制度は導入されていない自治体が多いのが現状です。

明石市は、全国の自治体のお手本として、常に先頭を走っていることがわかりますね。

 

まとめ


今回は、兵庫県明石市の市長・泉房穂氏についてご紹介しました。

全国に明石市のような自治体が増えたら、もっと暮らしやすい世の中になりますね。

明石市の住民たちは、自らの手で泉市長を選び、自ら住み良い街に変えていったのだと思います。

私たち有権者も、自分の街について学び、投票に行かなくてはなりません。

もっと政策について学び、候補者についてきちんと知って投票するという行動が必要になってくるのではないでしょうか。

明石市というひとつの地方都市の取り組みをきっかけに、「自分たちの街をもっと良くしたい!」という思いが日本中に広がっていけば良いなと思います✨





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