1995年 × 東京都渋谷区 × 90年代
Netflixで11/5から独占配信になっている、燃え殻さんの小説の映像版。小説は読んでいなかったけど、時代背景、場所、背景になってるカルチャーがドンピシャに自分と同じ。珍しく感情移入して見れるドラマだったのでレビューをかいてみようと思う。
90年代の東京とサブカルチャー
主な舞台は90年代の東京、主に渋谷新宿六本木。実際が自分が過ごしてきた時間と空間を舞台としたドラマで、背景になっているカルチャーも自分と近い(B'zよりオザケンが好きみたいな感じ)。
主人公が経験している出来事も結構自分とかぶってたり、象徴的に切り取られているちょっとしたシーンで似たようなことを経験していたり、アイテムで出てくるものがまさにドンピシャだったり(EL-MALOが出てきたのには驚く)、なんか不思議な感覚を覚える。
多くのシーンで渋谷の街、特に道玄坂が映る。舞台になっているラブホはこのコロナ禍で営業をやめてしまった。監督が『ジョゼと虎と魚たち』にも携わってた方とのことで、なんかデジャヴのようなシーンが有る。
キャスト
キャストもとても良い。森山未來さんと伊藤沙莉さんは相変わらず上手。東出さんが復活してかなりいい味を出している。萩原聖人はまさに同年代、ちょっと上から目線だがいい役者になったなと思う。SUMIREはCHARAさんと浅野忠信さんの娘さん。
音楽
挿入歌が逐一良い。
とかのサブカル的な名曲がアンセムだったりしたかと思えばカラオケでは『I Love You』/尾崎豊を歌いあげて盛り上がっちゃう感じとか。
あと、原付き乗ってるときは常に何か歌ってましたね。それも一緒。
「ふつうだなぁ」と「ふつうが一番いいよ」
普通じゃないのに憧れてる(?)伊藤沙莉さん扮するヒロインにプロポーズしたら「なんか、ホントふつうだなぁと思って」とかわされる。「ふつうが一番いいよ」って、まったくもって普通じゃないSUMIREさん演じる歌舞伎町の女が言う。結局、人間みんなないものねだりなのかもしれないなって思う。
「子供の頃今の自分になりたいって思ってた?」
「子供の頃今の自分になりたいって思ってた?」と主人公が尋ねられるシーンが序盤で出てくる。普通になりたくないと言っていた彼女はFacebookで普通の幸せを掴んでいる。自分は普通になりたくないって言ってた彼女の言葉に影響を受け、大人になりきれなかったままでいる。
「子供の頃今の自分になりたいって思ってた?」という問いを、自分に当てはめて考えてみると、当時目指していたものとは全く違うのだけど、最近は結構これもよかったかなって思ってるかも。
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