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「察する」より「確認する」が大事


先日こんなツイートをしました。

 

 

現在のビジネスにおいて、なぜ確認することが大事なのか?そもそも「確認する」とはどういうことか?また「確認する」スキルとは?などについてこの記事ではもう少し深堀して書いてみたいと思います。

 

「察する」文化


日本人には昔から以心伝心、相手のことを察してそれに沿ったアクションをして上げることが美徳と考えられている傾向が未だあると思います。

文化人類学の専門家ではないのでそのあたりの詳細は突っ込んでお話することができないのですが、それは日本という国の歴史背景上皆ほぼ同じ言葉を話し、同じようなバックグラウンドで育ってきた人が多かったから成り立った状態なのではないかなと考えられます。

自分の今までの人生を振り返ってもそう思います。それはたまたま平均化した人を多く生み出してきた時期だったからなのかもしれません。

日常生活においては、言わないでも分かる人、自分のことをよく知ってくれてる人、こちらもよく知っている相手、そういう人たちとだけ一緒に時間を過ごすことは可能かもしれません。そうできればそれはそれでとても幸せな時間が過ごせる可能性もあります。

 

仕事の複雑化


現在の仕事においてはそのようには行かなくなってきています。

コンピューターを駆使して一人が担える範囲は以前と比べて格段に増え、それに比例して押さえておかないとならない情報構造も複雑化していっています。

仕事上関わる人数もオンラインでのやり取りも含めると格段に増えていると言えるでしょう。頻度とスピードも格段に上がっています。

その状況下において、お互いで察しあってミスコミュニケーションなくすすめるということは、ほとんど無理な状況になってきています。

特にグローバル化した環境では、母国語や育ってきた環境が大きく違う方々と仕事をしていかなくてはなりません。

 

確認するスキル


このような状況下においては「察する」ことよりも、「確認する」ことが大切になってきます。

僕が「確認する」スキルとして考えてるものを分解するとこのようになります。

  • 物事の構造化ができる
  • 構造を踏まえて確認をすることができる
  • 認識の相違があれば構造に沿って項目ごとにすり合わせることができる

 

「物事の構造化ができる」

対応するべき仕事がどういう構造になっているかを整理して、共有することです。複雑な仕事をそれぞれの構造で捉えてすすめると、エラーが起きやすくなります。複雑な仕事に当たるときには「僕はここのことを言ってたつもりなのに、相手は別の箇所のことをはなしてた」というようなことは日常的に起こります。同じ構造を見て話ができないと、頭の中で項目の付け合せ表を作ってすすめるような感覚になってしまいとても効率が悪いです。

物事の共通言語化するためのたたき台を作ることだとも言えるかもしれません。もちろん、事象の捉え方は人それぞれですので、その構造から議論をすることも有益だと言えます。そのためにもたたき台としてアイディアを提示できるスキルには大きな価値があると考えています。

構造については関係する人たちと合意形成をしておく必要があります。そのへんも含めて構造化できるというスキルだと考えています。

 

構造を踏まえて確認をすることができる」

構造を決めたらそれに沿って会話をすることが、物事の生産性を保つ上で非常に重要な事になってきます。構造を決めたら会話するときにはその構造上のどこのことを言っているのかを意識して会話していくと、話の論点がずれづらくなり効率的です。

もちろん仕事の範囲は広がったり狭まったりするので構造は変化するものです。その場合にもどこかの項目の一部がなくなった、どこかの項目に論点が追加された、というような形で押さえていけば、最初からまた全体構造を考え直すというようなことがなく、積み上げた議論を進めていくことができます。

 

 

「認識の相違があれば構造に沿って項目ごとにすり合わせることができる」

仕事を進めていく上で、認識のそういや意見の食い違いは起こり得るものです。その場合に、話が散らかって「そもそもから考え直そう」とか「ゼロベースで考えよう」となることも少なくありません。もちろん、本当にそうすることが必要なケースについてはそうするべきだと思います。

やり直す必要がないものをやり直しているケースをとてもたくさん見てきました。その原因を振り返って考えてみると、こんなケースが多かったように感じています

  • 意思決定者がおよび腰で判断を先延ばしにするために練り直しを指示するというケース
  • 推進者が「構造化して議論ができていなかった」

進めてきたものを無駄にせず取り組みを頓挫させること無くゴールへ近づけていく上では、構造化された議論ができているかは大きな論点となります。1つ目の意思決定者が及び腰になってしまう原因についても、検討の過程で論点がきっちりと潰せているかが明確でないため躊躇してしまうというケースもあるでしょう。

よくおこりがちな「総論賛成、各論反対」みたいな状況を打開していくためにも構造化された議論は有益です。反対する理由がどこにあるかが明確になっていれば、ポイントを絞って検討を進め妥協案を導き出すこともできます。

 

「確認する」とは対話をすること


「確認する」を要素分解してみました。「確認する」ということをやや拡大解釈して、仕事上のコミュニケーション論のようなことを書いてきてしまいましたが、ここは物事を進めていく上で非常に大切な技術であると考えています。

書いてきたように、「確認する」ということは対話をすることと言い換えることができます。物事の構造を明確にして、それについて考えを話す。相手の考えを聞く。構造に沿ってすり合わせを行っていく。

シンプルにこの考え方を繰り返していくとコミュニケーションの齟齬は減っていきますし、それによって成功するプロジェクトが増えていくのではないでしょうか。

 

 

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